【目指す舞について】

振付けられた時代に近づくことを目指しています。

・もともと座敷で舞われていたものですので、劇場ではなく座敷で舞うことにこだわっています。劇場の照明ではなくより自然な明かりで、劇場の距離感ではなく座敷の空気感で、舞台の下から見上げたり上から見下ろすのではなく、平たい客席に床坐した視線でご覧頂くことで伝わることがあると考えています。 
狭い空間だからこその呼吸、衣擦れの音、目があうような気さえする視線、そのようなものを大切にしていきたいと思っています。
一度に沢山のお客様にご覧いただけない分、より多くの工夫が必要です。自分達で支度をすることもその一つです。
そのための試行錯誤はずっと続けなければいけないと思っています。

・平明かりの座敷で舞うため、支度もより自然な姿を目指しています。
伝統的な水化粧を基本にして、びんづけ油でまとめた日本髪で、江戸明治大正昭和初期の方々に思いを馳せながら現代の私達の身と心で舞うことの意義を追求してまいりたいと考えています。

・舞は裾を引いた姿が一般的だった時代に振付けられています。お端折りをした姿とは全く違う身体感覚ですので、当会で勉強なさる方にはできる限り裾を引いて舞うことをご経験頂きたいと考えています。


【公演について】

お客様から入場料を頂戴する以上、プロフェッショナルであるべきと考えています。

・有料公演時は原則としてお客様から頂戴する入場料のみにて運営しております。

・有料公演の際に出演者が参加費を負担することはありません。
出演者は純粋に実力のみにて選定されます。

出演者や門下生のチケットノルマはありません。
その分集客には大変苦労をしますが、その経験も舞の修業の一つと考えています。

【稽古場について】


経済的にも精神的にも気持ちよく続けられることを目指しています。

・門下の方々に月々の月謝、最初にご購入頂く稽古扇、年に一度のお浚い会以外に経済的ご負担をお願いすることはありません。もちろんお揃いの着物、浴衣などもありませんし、チケットノルマもありません。裾を引いた姿で舞う場合も費用負担はありません。
ただし、名取などの免状を希望される場合などは別途費用が必要となります。

・お休みをされた回数分は繰り越され、4回分貯まると翌月の月謝は無料としています。
体調を崩したり仕事などの事情で休まなければならない場合でも、心置きなく休む判断をして頂きたいと考えています。

・門下の方にイベントなどへの参加やお付合いを強制することはありません。
ウマが合う方もいれば合わない方もいます。お付合いの距離感は強制すべきではないと考えています。 

・門下生同士を比べることはありません。
一人一人事情が違いますので、稽古にさける時間やエネルギーはそれぞれ異なります。お浚い会の際も入門順がわからないように出演順をくじ引きで決めるなど、比較に繋がるような要因は極力排除しています。

・一人一人の個性を大切にしています。
人は得手不得手があって当然ですし、その方その方の個性で味わいが変わることが舞の醍醐味です。誰でもその人ならではの魅力をもっており、それを引き立たせることが指導する者の役割だと考えています。稽古の目的は、型に当てはめて指導者のコピーをつくることではありません。様々な魅力の舞い手が育つことが大切なことだと考えています。



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